街の中に買い出しに来たユーリとエステル。
エステルは貴族街のお城育ちという事もあり、見慣れない物が多いらしくかなりはしゃいでいた。

「ねぇユーリ。あれは何ですか?」
「ん?あぁ…、あれはアクセサリーとか売ってる店だな」
見てくか?と聞くと、エステルは喜んで頷いた。
彼女は満面の笑顔で店の中に入って行く。それを追い掛けユーリも店の中に入った。
…店の中は女の子が好きそうなファンシーな作りになっている。エステルは楽しそうだが正直自分はあまり長居したくない場所だった。

ふと、エステルを目で探すと彼女は1つの物に釘付けになっていた。ユーリが近付いてそれを覗く。…どうやらネックレスを見ていたようだ。

「何か気に入ったのあったのか?」
「へ?あ、えーっと。これ、可愛いなぁと思って…」
エステルがほんのり頬を染めて言った。彼女が手に持ったのは羽の形のネックレスだった。値段は…割と高い。
だがエステルはじっとネックレスを眺めていた。どうやら本気で気に入った様だ。


(ま…偶には良いか……)
ユーリは彼女の手からネックレスを取ると、彼女の手を引きレジに向かった。一瞬の事なのでエステルが茫然としている。



「これ下さい」
レジに彼女が手に持っていたネックレスを置いた。そこで漸くエステルが我に還る。

「だ、駄目ですよユーリ!!そんな高い物…」
「いーんだよ。俺の奢り」

ユーリは値段ぴったりのガルドを払い、袋に包まれたネックレスを持ってさっさと店を出て行ってしまった。エステルが慌てて追い掛ける。


「ほら、やるよ」
店を出てからユーリがネックレスをエステルに渡した。彼女はまじまじと此方を見つめながら、頬を赤く染めて笑う。

「あのっ、ありがとうございます。…大切にしますね」

エステルは袋から早速ネックレスを取り出すと、器用にネックレスを嵌めた。羽の形をしたネックレスは、とても彼女に馴染み、似合って居る。

「じゃ、買い出しの続きに行くか」
「…はいっ!」
ユーリの言葉にエステルがネックレスを揺らしながら笑った。



*give is to me!!






08-08.13


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