※ED後から3年立ちました設定



それは本当に突然だった。
ダングレストでゆっくりしていたら、いきなり手紙が届いたのだ。
差出人はかつて旅をしていた仲間の1人。

手紙の内容は至ってシンプルで、「××日に会いに行くから迎えに来い。」という物だった。…彼女らしい手紙だ。

苦笑しながらも、その日が楽しみで仕方なかった。




約束の日になった時は朝からずっと彼女の事を考えていた。
時計の針が進んで行く。
約束の時間に近付く度に心臓が破裂しそうになる。

…そんな事をしていたら、何時の間にか約束の時間が過ぎていた。

慌てて街へ飛び出す。
彼女はダングレストの結界魔導器の前で待っていると書いてあったいた。街の結界魔導器の方へ真っ直ぐに向かう。

結界魔導器が見えてきた。遠くの方に人影が見える。
彼女は結界魔導器を見つめていた。
肩まで伸びたブラウンの髪。
少しだけ伸びた身長。


「……リタ…?」


「…15分、遅刻してんだけど」

結界魔導器の壁に凭れて立っていたのは、間違いなくリタ・モルディオだった。
外見は大分大人っぽくなっているが、内面的にはあまり変わって居ないようだ。苦笑しながらも、ちょっとだけほっとした。


「……何でいきなり来たのよ?」
「あんたの魔導器を見に来てあげたの。感謝しなさいよね」

2人で歩き出しながら何気ないやり取りをする。何だか懐かしい気持ちになった。3年も立っているのだから当たり前だが。



「…ねぇ」


不意にリタが話し掛けてきた。
彼女の方を向くと、彼女はそっぽを向きながら言う。


「……あんた、背。伸びた?」
「…へ?」

思わず間抜けな声が漏れた。…いきなり何を言い出すんだ、この子は。
だが、本当に少しだけ確かに伸びたかもしれない。…リタが前より小さく見えた。
そっぽを向いている彼女の手を無理矢理握る。
一瞬彼女が何か言いたげな顔を向けたが―――少しだけ、手を握り返してくれた。





*その瞬間、恋に落ちる


これがきっと、‘愛おしい’というコト。



08-09.12



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