宿屋の外では雷雨が鳴っている。 溜め息を吐きながら窓の外を見つめるユーリの傍には、エステルが雷に震えていた。 「ユーリは怖く無いんですか…?」 彼女は度々聞こえる雷の光と音に目を瞑りながらユーリに問い掛ける。 「ま、怖くは無いな」 ユーリはそう言って窓から目線を逸らした。――それとほぼ同時に、大きな音と共に雷が光る。 「きゃあっ!!」 「…おいおい、マジかよ」 今の雷は、近い場所で落ちたらしい。 宿屋の中は停電してしまった。 いや、街の殆どが停電している。相当だなこりゃ、とユーリが小さく呟いた。 それから雷に震えるエステルの隣に座って、彼女の手を握る。 エステルから驚きの声が漏れた。 「こうしてれば怖く無いだろ?」 「あ…はい!!」 エステルがにっこりと笑った。闇の中でもそれは何となく分かる。 雷が止むまで、ユーリとエステルはずっと手を繋いでいた。 *求め合ったぬくもりの中で これを書いた前の日、家の周辺に雷が落ちて家が停電してTOV2周目データが吹っ飛んだwwwww 08-08.29 Back |