※キャナリの性格妄想+過去妄想注意



「ねぇ、シュヴァーン」
片手に弓を持つ彼女が微笑んだ。
地平線の彼方には昇る朝日が輝いて、朝日は彼女を美しく照らしている。
ああ、俺はやっぱりこの人に――キャナリに惚れて居るんだなと思った。

「約束よ」
「…ああ、約束だ」

お互いの小指が絡み合う。
誓約と誓い。
小さな約束。


「「絶対に勝って生きる」」

――例え99%ピンチになっても、
1%を諦めないで。

最後まで生きる。



それがキャナリとの最初で最期の約束だった。


人魔戦争。
血塗られた黒歴史の戦争が――始まる。



「私、もう行かないと」


絡み合った小指が解かれる。
乾いた風は悲しさを表す様だった。
彼女は此方に向かって優しく微笑んで、それから踵を返して戦場に走って行った。



「…生きる、か」

正直、この戦争の勝利は難しいだろう。
相手は化け物みたいな魔物だ。
実戦になった時、足が竦まない奴が何人居るだろうか。

けれど。
…彼女と未来を進む為に―――。


シュヴァーンはキャナリが走って行った方角とは別の方角に向かい歩き出した。



*優しさというちっぽけな約束



08-09,16



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