※微裏注意



誰だ、この子に酒を飲ませた奴は。
第一にそう思った。
第二に、彼女の顔がまともに見られない。


どうしてこうなったかは分からないが、ダングレストの酒場で誰かが彼女に酒を飲ませたらしい。彼女はまだ15歳だぞ、おい。
当然、酒に慣れていない体は酒に酔う訳で。


「おっさーん!」

「…はいはい、何よ。リタっち」

この異常にテンションの可笑しいリタを、何故かレイヴンが見ている事になってしまった。
理由として、まずエステルやカロルじゃリタを見ているのは無理だ。魔術で暴れられたらひとたまりも無い。
そして残ったのはユーリとジュディスと自分な訳で。
3人で公平にじゃんけんをした所――運悪く自分が負けてしまったのだ。
そして現在に至る。


酔ったリタは豹変と言える程普段とは全然違って、自分に抱き付いて来たりしてきた。

「ちょ…リタっち!?」
「ねぇ、レイヴン」

彼女が魔性の笑みを浮かべる。
顔が何時もよりずっと近い、ドキドキしてばっかりなのは正直こっちだった。



「あたしの事、好き?」


酒で火照った顔で、彼女が上目遣いに問い掛けてくる。…まともに見るんじゃなかった…、可愛らしい。マジで。


「好き、愛してる」

愛おしい彼女の頭を、愛撫して口付けをした。珍しくリタに抵抗が無い。寧ろ一層強く抱き締められた。




「……」

言葉を交わさず、唇を離す。
リタが少し憂いを帯びた目で此方を見て来た。…ああもう駄目だ。理性の限界、限界、限界。
ベッドに突き飛ばして、強引にキスをした。それさえも彼女は受け入れる。首に優しく手が回された。
唇を離すと透明な液が、糸を引く。


「リタ」

「…レイヴン」

確かめ合うように名前を呼び合った。
首筋を優しくなぞって、服に手を滑らせる。…彼女の体が痙攣した。首を触られるのが弱いのだろうか。上服を脱がしながら首筋を軽く舐めると、リ
タが甲高い悲鳴を上げた。…可愛らしい。

「愛してるよ、リタ」


明日、リタの意識が戻ったら彼女に殺されるのだろうな。
そんな事を思いながらも狂った理性が止まらない。――顔を真っ赤にしたリタを、強く抱き締めた。



*それは、本音?




08-09,07


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