※ユーリに構って貰えなかったザギは標的をリタに変えたみたいです。
※何気にグロい



くく、と男の呻き声の様な笑い声が耳に入ってきた。
両腕を拘束する縄が皮膚に食い込む。痛い。
たが乾いた唇からは掠れた吐息しか漏れなかった。抵抗はもう無駄なのだと、頭で理解する。

「お前は最高の餌だ…」

狂気に染まった男がそう呟いた。――途端に、胸に激痛を感じる。
慌てて男の方を見ると、信じられない光景をみた。

「い゛っ…!!」

体が震える。
動いた所為で腕に縄が余計に食い込んで、更に痛くなった。頬に雫が落ちる。痛い。だれかたすけて。

「あぐっ…!」

男が手を動かす度、焼ける様な痛みがする。
男が握るナイフには、既に血が滴っていた。



有り得ない。信じらんない。
普通の人間なら、絶対こんな事考え無いわよ。

「あ゛ぁあああっ!!」

悲鳴を上げながらもがいた。
けれど男の指は止まらない。
男の手にしっかりと握られた鋭利な刃が、まるでバターを塗る様に血を広げながら肌に食い込んでいく。


「くくく…」

狂気に笑う男は、やがて満足そうに刃を床に置く。

有り得ない、有り得ない。
何でこんな事考えついたのよ。
普通じゃないわコイツ。




「これでお前は俺の物だ…」


あたしの胸元にナイフで彫った自分の名前を見ながら、男は満足そうに笑った。



*狂気的恋愛




08-10,07



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