※ロベ←マリ→←パス?(これは酷い



パスカルとロベリアは、似ても似つかない2人だ。
そんなこと、俺が一番分かっている。
マイペースなパスカルと、規律正しいロベリア…。恐らく天と地程の差が有るに違いない。

それでも俺が2人に惚れてしまったのは確かで。


「きょーかん?何考えてんのー??」
やって来たパスカルは相変わらず無邪気な笑顔を浮かべていた。
「…いや、何でもない」
「……ふーん??」
小首を傾げたパスカルは、次いでヒューバートの方に駆けて行った。

(何を考えているんだ…俺は)
パスカルとロベリアは別人だ。重ねるなど自分らしくもない。
…第一、失ったロベリアは二度と戻って来ないのだ。彼女の代わりなど誰も居ない。
勿論、パスカルの代わりも居やしない。

(…今度は、失いたくない)

もう、ロベリアの様な思いはしたくない。同じ過ちを繰り返さない為、俺は強くなったのだ。
だから今度は絶対に。
…失わせない、パスカルだけは。

「きょーかん?どっか悪いの??」
顔を上げると、何時の間にかパスカルが居た。
ヒューバートと会話し、また再び俺の所に戻って来たみたいだ。
「わっ!!きょ、きょーかん!?」
彼女の体を無理矢理引き寄せた。暖かい温もりが、まだ此処には有る。
「…きょー、かん?」

ロベリアにも、出来ればこうしてやりたかった。

「…お前だけは、」
守りたい。絶対に。

小さく呟くと、暴れていたパスカルがぴたりと動きを止めた。
腕の中で大人しくするパスカルが酷く小さく見え、力を込めて抱きしめた。



*悲しみに染められた両手



10-03,29




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