※ED後設定
※マリク目線



久しぶりに会ったパスカルは見違える程痩せていた。

「…パスカル?」
驚きを隠せないまま彼女の部屋の前で立ちすくめば、ふらついた足取りのパスカルが歩み寄って来る。
彼女は俺の目の前に立つと倒れる様に抱き着いて来た。

食事を取っていないのだろうか。
優しく抱き寄せれば、元々細身だった体が更に肉を削いでいるのが分かる。

「……拒食症って奴か?」
一瞬その病気が脳裏を横切ったが、パスカルは首を横に振った。

「…教官が、」
腕の中で彼女は語る。
「……連絡、くれないから…」
…数週間前に総督から大紅蓮石活用の更なる徹底を求められ、暫くの間は数人の作業員と共に大紅蓮石の傍にテントを張り寝泊まりしていたの
だ。
その時慌ただしくザヴェートを出ていった為、パスカルへ暫く留守にするという連絡を入れ忘れていた事に今更気付く。


「何か合ったのかな…って思って、政府塔に会いに行ったら…暫く帰ってない、って言われて……」

「…」

「……死んじゃったかと、思った…」


そうしてパスカルは泣き出してしまった。
腕の中でわんわんと声を上げて泣き喚く彼女は余りに幼く、余りに愛おしい。

華奢な体を折れない様大切に抱きしめ、耳元に優しく囁いた。



「ごめんな、」


愛してる。



*Rabbit Girl
(ウサギは寂しいと死んでしまう)




10-04,19




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