※パスカル目線 ストラタを訪ねる度に、同時に思い出すのは大好きだった人。 彼は数年前に還らぬ人になった。当時はアスベルと一緒に訳が分からなくなる程泣いたけど、シェリアやソフィが励ましてくれたっけ。 中でも教官が一番心配してくれた。それで何とか立ち直れて、今に至るんだよね。 気持ちの整理も着いた今日。あたしは弟君がかつて使って居た部屋の整頓を手伝う為にオズウェル家の一室に来ていた。部屋には弟君の几帳 面な性格が現われている。汚い所は無く、見習わないとなぁと思わず舌を出して苦笑した。 ふと部屋を見回すと、あたしは有る事に気付いた。 去年の今頃。弟君の誕生日にあたしが上げたカレンダーが無くなってる。何処に飾ったんだろう。 部屋をもう一度見回すと、整頓されていた机の上にカレンダーが置かれていた。 近付いてみると、ハサミでバラバラにされたカレンダーの数字が順序よく並んでいる。 あたしが上げた物は何時も大切にしてくれてたのになぁ…?と、不思議に思いながら順序良く並べられた数字を見てみる。 6/11 3/1 6/12 5/6 7/2 6/7 6/17 4/10 4/14 5/16 一枚だけ向きが逆になっている6/17に気づき、あたしはそれを直してみた。 勿論直した所で並べられた数字の意味がわかる訳でもない。意味が有るのかも分からない。弟君は何がしたかったんだろう? 「パスカル」 と、そこに声が降りかかり、振り返ると教官が微笑んでいた。 「今日はもう遅い。帰って食事にしよう。今日は俺が作ってやるから」 「ホントにっ?」 教官の手作り料理を食べるのは何時ぶりだろう。暫くの間はあたしを気遣ったシェリアと一緒に同居していたから、本当に久しぶりだ。教官が何時 も作ってくれる料理の味を思い出し、自然と笑顔になった。 *最期のメッセージ 10-04,26 *解説(反転) 【カレンダーの数字は元素記号を表します。元素記号通りに読むと 「すいぎんもられた にげて」になるんです。 つまりヒューバートを殺したのは教官。パスカル逃げてー】 Back |