※ヒューバート目線



「ばーん」

何をやり始めるかと思えば、パスカルは突然右手の人差し指と親指を伸ばし、鉄砲の形をした指をこちらに向けてそう言った。

「…パスカルさん?」
彼女の理解不能な行動は今に始まったことではないが、どうやらそれは今日が最高潮みたいだ。
引き攣った顔でパスカルを眺めていれば、彼女は一人で納得した顔を見せ、にんまりと笑った。
「弟君はあたしに心臓を撃ち抜かれました!」
「…新しい遊びですか?それとも何処かで頭を打ちましたか??」
一体彼女は何処までが本気で何処までが冗談なのだろう。
引き攣った表情を戻せずにいると、パスカルが突然腕を伸ばして腕に抱き着いてきた。

「ぱ、パスカルさん?!」
「だから弟君はあたしのモノでーす!」
「意味が解りません!!」

筋が通っていない会話と、腕にぶら下がっているパスカルに動揺を隠せなかった。
唯パスカルを引き離そうという考えは浮かばなかった。



*恋を撃つ弾丸
(こんな変な子に惚れた僕も変な人の一員何だろうか)



10-03,29




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