※エクサ視点
※病んでるでるでる(ぁ







立場上俺が欲しいと思うものは、断っても手に入る事が多々だった。
腕の立つ人材が欲しい――そう思った俺の傍に集まったラクシュリとアンジェリカ、ロッシ。そしてシーラ。彼等は本当に優れた力量を持っている。
優しい世界を作りたい――そう思った俺の気持ちにジュノー王子は答え、何時か世界を変えよう。と約束してくれ、彼の父上もそれを認めてくれ
た。

俺の周りは不備の無い世界だった。
両手で触れることの出来る欲しいモノは、魔王を倒すという指命以外は叶えていた。



だからこうなるなど、思いもしなかった。



「……ごめん。僕、そういうのよくわからない」

目の前で困惑した表情を浮かべ、彼は言った。
どうして。欲しいものは全て転がり込む様に手に入って来たんだそれなのにどうして此処で躓くんだ。第一こんな俺について来ると最初に言いだし
たのは俺じゃなくお前じゃないかラクシュリ。お前が勝手に俺のものになったんじゃないかだから俺はこうしてそれを確かめようとわざわざ呼び出し
て告白したというのにどうして返ってきたのは拒絶なんだ‘最高の見せものにしてくれるなら地獄の底まで着いて行く’――あの日のあの言葉は嘘
だったというのかそんなこと俺は許さない絶対に許さない許さない許さない許さない許さない
「ちょ、エクサ」
踵を帰したラクシュリの腕を掴み、爪を立てる。
返してたまるものか。お前がyesと言って笑うまで俺はこの手を離したりしない。
「止めろって」
悪びれた様子も無く彼は言った。
無理に腕を振りほどいたラクシュリは俺に向け暴言を吐き捨てる。

「最近のキミはおかしい!」
可笑しい?俺が??
いやいや可笑しいのはお前だろう。
俺は昔からこういう奴だ。

地面に落ちていた鋭利な木片を拾い上げ、呆然と顔を引き攣らせるラクシュリに、振り下ろす。
「…っ!!」
顔を歪ませた彼の手の甲から、血の涙が溢れていた。
綺麗な色だと微笑み、唇を這わせれば何か悍ましいものを見る様な顔をしたラクシュリが踵を返し逃げ出す。



俺のモノにならないお前など要らないさ。
逃げ出したラクシュリを追いかけ、振り上げた剣を下ろし、倒れた彼の腹部に向け躊躇い無く剣を突き刺した。
「……!!」
さようなら、俺の愛したモンシェリー。
恐怖に引き攣るその顔に、赤黒く染まった剣を振り下ろした。



×キミには赤がよく似合う×





10-08,24


mon cheri(モンシェリー)→前のタイトルにも使いましたが「愛しい男」という意味です。
愛しい女はまた別の言い方をするみたいですがあんまり覚えてないので自力で調べてみてください(こら




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