※病んでるよ!




ぶすぶす。

赤い果実に刺したナイフは簡単に中に突き刺さった。
飛び出し溢れた果汁が広がるが、そんなこと関係ない。
ナイフを引き抜き、力任せに果実にナイフを振り下ろす。

ぐさり。
再び刃は突き刺さった。
表面は硬いのに、中身は何て脆いのか。
まるで誰かさんみたいだ。
誰かさんの中身もこうなっているに違いない。

ぐにゃり。
中でナイフを掻き混ぜれば、飛び散る果汁が腕に降り懸かる。
そこで再びナイフを引き抜き、無心に果実に刃物を下ろせば、勢いよく林檎が割れた。



ああ。壊れちゃった。

微笑み、ナイフの突き刺さった実を一部を拾い上げ、ナイフを引き抜く。

ぐさり。
ぶすぶす。
ぐちゃぐちゃ。

残った実の中で一番形の残っている林檎に再びナイフを振り下ろした。
刺さったナイフ。悲鳴の様に溢れる果汁。
破壊は楽しい。
無限の快楽だ。
面白可笑しく笑っていれば、やってきたエクサが顔を引き攣らせた。


「…シー、ラ?」

ああ、勇者。お帰りなさい。
声も出ない驚き様の彼に、シーラは優しい笑顔を浮かべた。



林檎に愛を手向けましょう





10-08,23


林檎が本当にただの林檎だったのか。
それともエクサ以外の誰かの肉体だったのかはご想像にお任せします



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