※エクサ視点
※タイトル程病んではいない(ぁ




男女2人の陣形だから、宿の部屋割は必然的に毎回同性の相手になる(稀にシーラがワガママを言って俺と一緒の部屋になりたがるが)。
今回もシーラが俺となりたいだとか、ラクシュリがシーラと一緒にして欲しいだとか。散々我が儘が飛び交ったが、アンジェリカと手分けして引きず
って相手を連れていったので、今回も俺とラクシュリ、シーラとアンジェリカに部屋割は落ち着いた。


相部屋になったラクシュリは拗ねているのかねじけているのか分からないが、ベッドに転がりさっさと目を閉じている。
唯単に眠いだけなのかもしれないが、それが俄かに愛しく感じ、眠る彼の頭を撫でた。

乱れの無い束になった髪に指を絡め、髪を掻き分けた先に現出する透き通った肌に指を這わせる。
病気的な愛はスピリッツァーの様に弾け、頬に唇を落とす。
途端に彼が唸り声を上げながら寝返りを打った。


起きてるな。

確信に近い何かを感じ、目を開けない彼の頬から首筋へ指を下ろす。
やや痙攣した体が意識が有る事を確証していた。
目を開けないなら開けさせてやるまでだと、首筋に顔を近付け、白い肌に噛み付く。
蜜の様な甘い声で鳴いたラクシュリは、それでも強情に目を瞑っている。
首筋から耳の傍に舌這わせ、そこでも耳椨を甘噛みした。

「ん…」
「……もうそろそろ起きたらどうだ?」

分かってると言わんばかりに囁けば、顔を離したと同時にラクシュリが目を開けた。
やっぱり起きていた。
体を起こしたラクシュリがこの野郎と呟きながら俺を見る。

細い腰部と後頭部に手を回し、華奢な体を抱きしめた。
唯、此処に有る愛しいと言う感情に任せ強く抱き込んでいれば、何か理由が有ると思ったのか、彼は何も言わずに腕の中に収まる。
同じ様に俺の胴部に手を回し、弱々しくも確実に抱き返したラクシュリは俺の腕の中で再び目を閉じた。

それで良い。
こんな行動に理由を付けるとしたら、病気的な愛だけだ。
だから、お前は何も聞かないで良い。
唯理由が有るんだと感じてくれ。


感情任せにきつく抱きしめれば、ラクシュリが小さく何かを呟いた気がした。



*病気的恋愛感情
(狂おしい程、お前がしい)




10-08,26






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