※話自体が病んでて微エロです←



不意に視界の端に映ったのはリタ・モルディオの姿だった。
彼女は膝に開いた本を置いて、周りにいるユーリと会話をしている。
時々ツンとした表情を見せたり、笑ったり。くるくると表情の変わる彼女。
何を話しているかは分からないが楽しそうなのは明白だ。…ちょっとだけ嫉妬心が生まれた。
分かってる。リタが誰と会話し、誰と笑い合うかなんて彼女の勝手だ。分かっているけれど――。

気付いたらリタの手を引いて宿屋の一室に立てこもっていた。彼女が不機嫌そうな顔で俯いている。
なぁリタ、お前は今誰の事を考えてる?
肩を引き寄せ無理矢理唇を押し当てた。
彼女が数秒固まって居たが、その内両手をばたつかせ抵抗する。唇を離す代わりに両手を掴んで壁まで押し倒した。


「ちょ…何すんのよ!!」
顔を真っ赤にして彼女が此方を見た。ああ、やっとこっちを見た。
「黙ってろ」
か細い両手を片手で押さえ付けて、もう片方の手を彼女の胸位置に添えた。
無理矢理服を脱がせると彼女の抵抗がより一層に激しくなる。止めてと彼女が潤んだ声で叫んだ。
なぁ、黙ってくれって言ったじゃないか。ユーリ達が来るだろ。
もう一度唇を押し当て様としたら、足で蹴られてよろけた。彼女が乱れた服で両肩を抱きながら叫ぶ。


「いい加減にして!!!」

…いい加減に、か。
蹴られた場所を抑えながら立ち直す。
少しだけ怯えた目をするリタを、ベッドに突き飛ばした。
その上に覆い被さる。殺戮衝動にも似た衝動が、体を突き動かした。これが嫉妬と呼ぶかなんて、もう俺には分からない。
「嫌だって言ってんでしょ!!」
罵倒しながら瞳を潤ませる彼女が、何故愛おしいと思うのかさえ分からない。俺は狂って居るのだろうか。
彼女が叫んだとほぼ同時に、部屋の扉が開く。


「さっきから何やってんだよ」

扉の前に立っていたのはユーリだった。横にはラピードも居る。
2人の顔を見て熱が冷めた気がした。…いや、正常心に戻ったと言った方が正しいのか?
リタの両手を解放すると、彼女はベッドから飛び降りてユーリの傍に座った。
ラピードがすり寄っている。
…彼女の瞳に涙が零れていた。体が震えてる。……相当怖がらせてしまっていた横だ。

「おっさん」
「…悪ぃ。ちと、頭冷やしてくるわ」
犯した罪にやっと気付いた。体を震わせているリタが儚くて小さい。

「ごめんな、リタ」
「……」
彼女は何も言わなかった。俯いたまま唇を噛み締めている。…そんな彼女を流し目に、部屋を出た。
自分でも何故あんな事をしてしまったのか分からない。思いついた衝動が体を突き動かした。
きっと彼女は自分を嫌ったのだろうな。

…いや、いっそ嫌われた方が良いかもしれない。
これ以上愛しさが降り積もる前に―――君が「嫌い」と言ってくれれば…。




俺は、君を諦めれるだろうか。



*これ以上愛しさが降り積もる前に、


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08-08,26



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