※過去妄想+微裏注意



「何しに来たんだ?」
城内に小さな少女を見つけたシュヴァーンが、少女に話し掛けた。
彼女が無表情に振り返る。深緑の瞳が此方を見上げていた。
「第一…此処から先は、騎士団の私室しかないぞ」
「…あたし、アレクセイに会いに来たから」
彼女が口を開く。…成る程、まだ12、3歳の少女の様だが内面はかなりしっかりしている様だ。

「アレクセイ隊長?お前、何で」
「調査報告」
半ば呆れ顔の少女が言った。
…漸く頭が働く。この子がきっと、アレクセイが言って居たアスピオの天才魔導士なのだとやっと理解した。
名前は、何だったか。確かそれもアレクセイが言っていた。…もう少し真面目に男の話を聞いていれば良かったかもしれない。
にしても、噂で聞いて想像していたよりもずっと幼い事に驚いた。今までどういう教育を受けていたのだろうか。

「ついでだから、アレクセイの部屋に案内してよ。あたし場所分からないから」
少女が報告書らしき書類を両手で抱えながら言った。
報告書を少し見つめる。一番下に名前がサインしてあった。
それを見て思い出す。確か名前はリタだ。アスピオの天才魔導士、リタ・モルディオ。

彼女の深緑の瞳は、吸い込まれそうな程に綺麗な色をしていた。
汚して、みたら。

どうなるんだろうと、そんな事を考える自分は本気で狂ってると思う。…今に始まった話じゃないが。


仕方無く彼女をアレクセイの部屋まで案内してやる事にした。
付いて来いとだけ言って、前を歩き出す。…彼女が隣まで小走りに走ってきた。ちょっとだけ可愛いと思う。


「あんた名前は?」
隣を歩くリタが聞いてきた。あれ?…ああ、そう言えば名乗っていなかったか。
「シュヴァーンだ」
「…ふぅん」
何とも感心を持たない声だ。苦笑した。これでも隊の長では有るんだが。
やがてアレクセイの私室にたどり着く。ノックをするが返事は無かった。…留守か?

「留守みたいだぞ」
「…最悪」
彼女が呟いてドアの前に座った。改めて少女の幼さを実感する。
仕方無くリタの隣に座った。あしらわれるかと思ったが、彼女は報告書の見直しをしているみたいで特に気にしては居ないようだ。…横顔が本当に
幼い。
知らない内に手を伸ばしていた。そっと頭に触れて、髪を指に絡ませる様に頭を撫でる。…リタが此方を向いた。
「何よ」
…何故こんな少女を、アレクセイは雇ったのだろうか。彼が雇う位なのだから、腕前は確かな筈だが。
リタの言葉を無視して、顎を持ち上げた。無理矢理唇を奪う。…彼女は硬直して動かなかった。
「ちょ、何すんの」
「騒ぐな。廊下に響く」
抱き締めて、首筋を優しく噛む。
驚いたのか何なのか、彼女がばさばさと報告書を手から落とした。
何か言おうとする唇を、もう一度無理矢理塞ぐ。首筋から鎖骨までを指でなぞって、服に手を掛けた。
唇を離すと、唾液が糸を引く。リタの顔が耳まで赤く染まっていた。驚いて声も出ない。そんな感じか。
アレクセイの部屋の前で何をしてるんだか、俺。…見つかったら半殺しじゃ済まされないんだろうな。
そう考えながらも、リタを強く抱き締めた。



*生ぬるい温かみが手に浸透する


旧サイト9000HITリクのシュヴァリタ微裏。
リタがアレクセイに報告書を出そうとしたら道に迷ってシュヴァーンに会いました、みたいな。わたしの脳内が病気過ぎる。

まさかの続き→「永久凍結の心を、君なら溶かせるのかもしれない




08-08,27



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