※ラクシュリ視点




あの後僕が泣き止むまで待ってくれた彼等は、僕の調子が戻ってから街に向かって歩きだした。
既に朝日は昇り出している。
…3人には随分迷惑を掛けてしまった。赤くなった目で謝れば彼等は気にしてないと優しく笑ってくれた。

「ラクシュリ」
「ん?」
街へ歩き出す中、声を掛けてきたエクサの方を振り返る。



「…どんな夢をみたんだ?」

ああ、そりゃあ気になるよな。
僕があれだけ大泣きする夢だもの。
「…キミが死んで僕も死ぬ夢」
正に悪夢だった。その悪夢が現実の状況と似ていた事も説明すれば、エクサはそうかと頷き、僕の頭をがむしゃらに撫でる。
「心配を掛けたな」
ああそうだ。キミはとんでもない心配を僕に掛けさせたんだ。
再度目頭が熱くなるが、涙は堪えた。


「ゆーしゃっ!!」
途端、彼の後ろにアンジェリカの隣に居た筈のシーラが飛び掛かる。
「わっ!!」
バランスを崩したエクサが倒れ、巻き込まれた僕も倒れドミノ倒しに合った。
「だ、大丈夫?」
アンジェリカが最初にシーラを起こし、僕とエクサに手を伸ばす。
その手を握り、立ち上がった。


――アンジェリカはお節介で煩いけれど優しくて頼りになる奴だ。
シーラちゃんも時折大変な事を仕出かすけれど良いモンスターで、僕達を助けてくれる。



エクサが失いたく無い仲間。
僕もそれを痛感した。


キミが居なくなると考えてあの調子だったんだ。きっと2人が居なくなっても、僕は泣きじゃくるだろう。
ある意味良いキッカケだったのかもしれない。





――その夜、僕は漸く安息に眠りに着くことが出来た。




08*哀話シノプシス-燦たる出口-



10-08,20

最後の中二病を漂わせるサブタイトルについての突っ込みは受けつけません^^
お粗末様でした!


Back→07*断腸エクジット


Back